研究開発の方がサロンに来て3時間ディスカッションしてた話
最近、色々なメーカー内部の方とお話しすることが増えてきました。
サロンの商品や薬剤は基本的な流れとしては
メーカー→卸業者→サロン→お客様という流れで動いています。
サロンはメーカーと直接やり取りをすることは少なく、卸業者とやりとりすることが多いです。
ただ、時よりメーカー営業さんとはコミュニケーションを取ることはありました。
今は研究室から科学者がサロンに
先日、ミルボン(日本最大手メーカー)の研究開発の方がサロンに来られました。
一応、名前は伏せておきますが、今は研究開発の部署ですが以前はマーケティング(企画)にもいたことがあるそうです。
マネージャーという役職なので今はそれだけではないそうですが、会社では研究室内で白衣を着て仕事をしている人です。
何をしにきたのか?
伸び悩んだ商品の何が悪かったのか?
今後、同じような商品を作る時にどういったことに気をつければ売れると思うか?
そんなことを聞かれました。
それについて、美容師目線でお答えはさせて頂きました。
特定の商品名は出しませんが
・トリートメントについて
①最後まで自立(倒れない)重心で容器を作って欲しかった。
女性のいる家のお風呂は物で溢れる物です。
シャンプー、トリートメント、集中トリートメント、クレンジング、洗顔、それに伴う小物系など、とにかく物が多くなります。
そのトリートメントははじめは自立しますがだんだんなくなってくると不安定になり倒れます。
そこを重心を下にして最後まで自立してほしいと伝えました。これだけで整頓がしやすいです。
②キャップの形状
クルクル回してキャップとチューブが分かれる仕様でした。
シャンプーやトリートメントがついた手でキャップの開け閉めってしにくいですよね?
これはワンタッチで開け閉めできるキャップにして欲しいとお願いしました。
③ビジネス的な話しも
先ほど言った通り、美容業界の商品の流れは
メーカー→卸業者→サロン→お客様という流れで動いています。
お客様(特に女性)にウケるデザイン、香りにしても卸業者やサロンが取り扱いたいと思わなければ、お客様に届きません。
卸業者やサロンオーナーは比較的男性が多く、ここに受け入れられる物でなければ結果売れないという話しもさせて頂きました。
お客様が第一なんですが、このへんのバランスは必要です。
④キャッチフレーズがまずかった
③とも関わる話しなのですが、美容師受けの悪い(印象が良くない)キャッチフレーズパンフレットで全面に出したこと。
ここは言い回しを変えるか、違う角度からキャッチフレーズを選んで欲しかった。
⑤今後の白髪染めの話
ちょっと内容は専門的な話しなので割愛しますが、もっとたくさんのお客様がサロンで白髪染めがしたいと思う美容師にしかできない白髪染めは何か?という話しをしました。
⑥その他色々
こんな話しを約3時間していました。
熱意を感じた
なかなか研究開発の方がサロンに来ることはなかったですが
年商350億円の会社がイチ田舎のサロンオーナーの話しを聞きに来る。そんな時代になったということ。
すごく熱意を感じませんか?
これからもより良いものをリリースしてきそうだなという感じがします。
さすが日本一ですね。
得意としているヘアケアをまだ伸ばしたいという感じでした。
商品には想いが詰まっています
このように商品ができるまで、色々な役割の方がいます。
企画 どんなコンセプトの商品を作るか考える
研究開発 企画に合わせた商品を形にする
生産 製品を大量生産する
品質管理 安定した商品を提供する
営業 商品を広める
細かいところは割愛していますが一つの商品を作るのにたくさんの部署の人たちが関わっています。
各所で問題が発生し、簡単に商品は出せません。
これはどこのメーカーさんもそうですが、見えない努力がたくさん詰まっています。
それがお客様に代弁できる美容師になりたいと思っています。
今回も貴重な話しが聞けましたので、お客様にも伝えていきますね。
またこういった話しも。
この記事を書いた人
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CROSS hair × scalp オーナー
再現性のあるカットとよりダメージレスな技術を目指しています。
他にはない、美容師・ヘアサロン像を目指し、地域のお客様に喜んで頂けるよう心がけています。
大手美容メーカー「ナンバースリー」でカラー・パーマ剤、ヘアケア剤の製作の協力を始め、マーケティングの協力にも携わり、外部講師も務めている。