セミナーで伝えたかったことは「失敗してもいいのでまずやってみる」
先日、セミナーのお手伝いに行ってきました。
メーカーの営業さんとサロンに行き、新人さん(2、3年目の方)にカラーの基本をレクチャーするセミナーです。
同じ条件の髪に違う薬剤を塗ってみる
違う色の髪に同じ薬を塗ってみる
黄味を消すには?
オレンジ味を消すには?
色々なパターンで実験をしました。
結果もみんなで丁寧に共有しました。
このセミナーはメーカーさんと僕がサロンオーナーにヒヤリングをした上で、決めた内容なんですが
終わってみて思ったことがいくつかありました。
わからないことがわからない
これ、めちゃくちゃわかるんですよ。
僕も中学生の時に先生によく言われました。
『わからないことがあったら聞けよ』
言ってることはわかるんですが、勉強できないものならすると『わからないことがわからない』んです。
本当に。
なので質問する内容がわからないんです。
多分、全く勉強に興味がなかった上で何も勉強をしなかったから。
とりあえずやってみると疑問も湧いてくるんだと思うんですが
自分で何もやらないと疑問さえ出てきません。
なんか今回のセミナーをして、僕の中学生の頃と同じことが起こってるんだろうなと思います。
スタンダードに仕事するならカラーが興味がないでは生きていけない
今回は特殊なパターンでメンズサロンでのセミナーなのでなんともなんですが
自分が『カットで飯を食うぞ』と決めたら別ですが、カラーもやった方が良いとか、お客様がカラーを求めた時に応えたいと思うのであれば勉強はしないといけません。
僕も中高生の時は勉強してないと言い切れますが
流石に美容師の国家試験に向けての勉強は多少なりともしました。
これは美容師になるために仕方なかったからです。
このように、勉強は嫌いでもどこかでやらないといけないポイントはあるので
そこは自分で解釈した上でやらないと仕方ないなという感じです。
カラーもしたいなら勉強は必須です。
『この髪』を『この色』に
アバウトな質問を受けることが多かったんですが、カラーは具体的に聞かれないとなかなか難しいことも多いです。
写真を見せるのが1番良いです。
これはお客様が美容師にオーダーするときも一緒で
この色がしたいと思ったら写真を持っていくのが1番成功率が上がります。
なぜならカラーの1番大事なポイントは『薬剤選定』と思っているからです。
どんなに塗り方がうまくても、その色になるカラー剤が選ばれていなければ、違う色になります。
お客様からやりたい色を細かく聞いて、今の髪にどの薬剤を塗布すれば、希望色になるかを考えます。
なので、『この髪』を『この色』にしたいという質問以外は答えにくい感じになります。
質問がアバウトだと答えもアバウトになるというか。
やってみて失敗したことがあるかが重要
まず、聞く前にやったことがあるかないかで大きく違ってきます。
この髪をこの色にしたくて、この薬剤を何対何でミックスしてこんな塗り方をして何分置いたらこんな思ってたと違う色になった。
だからこの色にしたい場合はどうしたらよかったですか?これが完璧な質問です。
すごく明確に答えられると思います。
先ほど『薬剤選定』が大事と言いましたが、置く時間も変われば仕上がりも変わります。
薬剤選定が正解でも置きすぎ、早く流しすぎもNGです。
日々、実験です。
疑問に思ったらまず「毛束」でやってみます。
beforeから作っていかないといけません。
左はブリーチ1回
右はブリーチ3回しています。
この時点で1回30分くらい置いてるので、他のことをしながら作っているにしても90分かかっています。
実験の準備段階で90分です。
この記事はこのことでした
できたら実験開始です。
こういった感じで数パターンやってみて結果を追います。
納得いかなければまた調合を変えてみることもあります。
この辺りは先月ブログにしてます。
こういった毛束で成功したら今度は人頭です。
友達、家族を犠牲にするわけです笑
ここで成功してやっとお客様にサービスを提供します。
これを疑問が出るたび、新しい薬剤が出るたびにコツコツやってます。
失敗なんて日常茶飯事で、お客様で失敗はできないので納得いくまで実験はします。
この過程を飛ばして質問しても身にならない
疑問を抱いたらすぐ聞く。
聞かないで勝手にやって失敗するよりは良いのでしょうが、やって何が悪かったかを考えた上で聞いた方が自分の身になると思っています。
カラーだけで言えば、最後は聞かなくても良くなります。
失敗しても大体失敗した原因に察しがつき、もう1、2回実験すれば解決するからです。
こうやってカラーだけでなくパーマもカットもなんでも成長していきます。
この過程を飛ばすと上部の技術になったり、応用が効かなくなったりします。
なのでめんどくさいですがやり込んだ方が最後は自分のためになると思っています。
スマホでなんでも検索できる時代
これが大きいのですが、僕も普段の生活の中でわからないことはすぐスマホで調べます。
すぐ答えが出て便利です。
でも、技術はそうでもないと思っていて
理屈は検索で出てきても結局やるのは『手』です。
理屈を検索して手でやってみる。
これが1番の近道かもしれませんね。
使えるものは使って時短していけば良いと思います。
今回伝えたかったことは
今回のセミナーで1番伝えたかったことは
『とりあえず1回やってみる』です。
やったら見えることもあります。
美容師19年目の僕でも日々実験です。
この仕事をやってる限りは日々実験です。
聞く、調べるのも大事ですが
アナログなようで1番近道な『とりあえず1回やってみる』が伝わってれば今回のセミナーは成功だと思っています。
美容師は華やかな仕事に見られがちですが90%地味なことをやってる仕事です。
こういったことを伝えながら、自分自身もコツコツ積み重ねて行ければと思います。
明日はナンバースリー神戸本社に行きます。
マーケティング、研究開発、営業の各部署の方と話せる機会があるので
色々勉強してきたいと思います。
この記事を書いた人
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CROSS hair × scalp オーナー
再現性のあるカットとよりダメージレスな技術を目指しています。
他にはない、美容師・ヘアサロン像を目指し、地域のお客様に喜んで頂けるよう心がけています。
大手美容メーカー「ナンバースリー」でカラー・パーマ剤、ヘアケア剤の製作の協力を始め、マーケティングの協力にも携わり、外部講師も務めている。